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コラム

担当者会議で必要な生活期リハビリ職の視点とは

担当者会議で必要な生活期リハビリ職の視点とは

前回の記事では、担当者会議でリハビリ職にどのようなことを聞けばいいのかを回復期リハビリの場面に限定してご紹介しました。
そこで今回は、前回の記事でご説明した回復期リハビリの話を踏まえつつ、生活期リハビリの場合について紹介していきます。

 

生活期リハビリ職の視点

生活期とは回復期を経て病気の症状や障害の状態が安定した後、自宅で生活していく時期になります。維持期とも言い、今までに得たリハビリの成果を維持することが重要になります。
この時期ではリハビリ職は以下の3つを重点的に考えています。

  1. その人が使える「資源」全て
  2. 生活の内容(作業バランス)
  3. どこをつなげたらいい循環が生じるか

1)その人が使える「資源」全て

ケアマネさんならご存知だとは思いますが、患者さんの周りにはたくさんの資源が存在します。

  • 人的環境:家族、友人、所属組織、各種サービス担当者による援助
  • 社会的環境:家族、友人、所属組織、公共交通機関、社会制度、医療資源、介護保険
  • 物的環境:家屋環境、自宅周辺環境、福祉用具、自助具、自家用車の有無

生活期リハビリ職はこれらの資源をどのように活用するかを考慮してリハビリプログラムを考えていきます。

2)生活の内容(作業バランス)

患者さんによって生活の内容は異なりますが、休息・仕事・セルフケア・遊びのバランスはどの患者さんにとっても重要です。
例えば、ベッド上で寝たきりの方には、仕事・遊びの機会はきわめて少ないと思います。しかし、車椅子に移乗して座位が取れるようになれば、テレビを見たり(遊び)、他者と交流する機会ができたり(遊び)、何かを手伝ったりする時間(仕事)を作れるのではと考えることができます。
このように休息やセルフケアだけではなく、仕事や遊びといった他の要素が足りているかにも着目しています。

3)どこをつなげたら、良い循環が生じるか

これは在宅リハビリの1番の目標となるポイントです。患者さんが徐々にやりたいこと・必要なことをできるようになり、それが日常生活で習慣化されていくとその習慣自体がリハビリの効果を持つようになります。そこでリハビリ職はどうしたら更なる好循環を生み出せるのかを意識してリハビリプログラムを作成しています。

 

リハビリ職でも改善の見当がつかないことも

患者さんの容態や生活、取り巻く環境などを考慮してリハビリプログラムを考えるリハビリ職ですが、時には改善の見当がつかないこともあります。そのようなときはリハビリ職とケアマネで協力して対応していきましょう。

  • 再発・合併症の多い複雑な病歴や前例の少ない珍しい疾患 →お互い率直に話して、試行錯誤の方向性を相談する

 

生活期リハビリ職には、何をどのように聞くのがよい?

生活期リハビリ職の視点を理解したうえで、ケアマネさんはリハビリ職の方とどのように関わればいいのでしょうか?以下の3点を中心に確認しておくと望ましいです。

  • 活用できそうな資源 →リハビリ職がどの資源に着目して、どのようにリハビリに活用しようとしているのかを確認しましょう。
  • 伸ばすもの、介助を受けるもの →ある目標に対して、患者さん自身の能力の改善によって達成することを目標とするのか、外部から介助を受けることで達成することを目標とするのかを聞いてみるとよいですね。
  • どこをつなげて良い環境を作ろうと思っているのか →前述したように、リハビリ職は日々患者さんの普段の生活自体がリハビリとなる、そんな好循環を少しでも作れないか考えています。好循環のきっかけを一緒に作るために、考えを共有していきましょう。

 

まとめ

それぞれの時期でリハビリ職がどのような視点でリハビリプログラムを考えているのかを知ることができれば、より連携も円滑になるかと思います。今後の担当者会議などで参考になれば幸いです。

 

この記事を書いた人

学生編集部

木の香往診クリニック 学生編集部

医療系の学部に通う大学生です。学生目線で在宅医療について発信していきます。

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