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現場で使える知識

便秘の種類・対応策について知ろう!

便秘の種類・対応策について知ろう!

便秘は、加齢とともに進行する症状であり、在宅療養中の患者さんが日常的に発症するものです。便秘には様々な原因があるため、正しい対処法を知らなければ、症状を悪化させる危険性があります。

そこで今回は、便秘の原因から種類を細分化した上で、それに応じた対処法を紹介していきます。

 

便秘の原因と種類

便秘は以下の3点が原因と考えられています。

  1. 食事摂取量の減少
  2. 日常生活動作の低下
  3. 生理的機能の低下

そのため、加齢に伴い寝ている時間が多い患者さんほど腸の動きに影響し、便秘の悩みを抱えている可能性が高いです。

また、便秘の種類は大きく分けて、機能性便秘それ以外の便秘に分類されます。

機能性便秘は生活習慣に原因があり、その他の便秘は胃腸や神経の異常が原因となります。

 

機能性便秘の対処法

機能性便秘は、①弛緩性便秘、②直腸性便秘、③食事性便秘、④痙攣性便秘の4種類に細分化されます。それぞれの対処法を紹介していきます。

弛緩性便秘

弛緩性便秘とは、腸の蠕動機能が低下し、内容物の通過が遅れることによって、過度に水分を吸収してしまう症状を指します。
この場合、便の増加・水分の増加を目的として、食物繊維の多い食品を摂取するとよいでしょう。

直腸性便秘

直腸性便秘とは、便意に対する感受性が低下し、便がたまりやすくなる症状を指します。
この場合、シャワーで肛門に刺激を加える、腹圧を高めるための腹筋運動を試してみるとよいでしょう。

食事性便秘

食事性便秘とは、食物繊維を過度に摂取したり、整腸作用のあるビフィズス菌が減少したりすることで、便がたまりやすくなる症状を指します。
この場合、ビフィズス菌を含む乳製品や、菌を増やす作用を持つオリゴ糖を含んだ大豆製品を摂取するとよいでしょう。

痙攣性便秘

痙攣性便秘とは、ストレスによる自律神経の乱れによって、便の残留感を伴う症状を指します。
この場合、ストレスの緩和を目的に、生活習慣の改善や適度な運動を実施してみるとよいでしょう。

機能性便秘の場合、便の固さに応じた下剤による治療を行うことができます。
固い便には、便をやわらかくする酸化マグネシウム(R)系の下剤の投与が考えられます。やわらかい便には、腸を刺激するラキソベロン(R)・アローゼン(R)系の下剤が考えられます。

ただし、下剤の服用は身体的・精神的な負担をかけることになるので、患者さんの容態を見ながら判断する必要があるでしょう。

 

器質性・症候性・薬剤性便秘の対処法

機能性便秘以外には、①器質性便秘、②症候性便秘、③薬剤性便秘の3種類に細分化されます。それぞれ対処法を紹介していきます。

器質性便秘

秘器質性便秘とは、腫瘍や炎症によって、腸の大きさや長さ自体の異常を原因とする症状です。
この場合は、下剤による処置は逆効果なので、医療機関での診察と治療が求められます。

症候性便秘

症候性便秘とは、糖尿病やパーキンソン病などの病気をきっかけとして、内分泌・神経系の異常を原因とする症状です。
症候性便秘は二次性の便秘なので、元になっている病気の治療が求められます。

薬剤性便秘

薬剤性便秘とは、抗うつ剤・抗コリン薬などの副作用を原因とする症状です。
この場合は、中止可能な場合は服用を止め、代替できる薬剤があればそちらを使用するようにしましょう。

機能性便秘以外の便秘では、腸や神経系の異常を治療することが先決なため、下剤を服用することはできません。

 

まとめ

便秘は不規則な生活習慣と身体機能の低下だけでなく、多種多様な原因が絡んでいるため、それに応じた対処法が必要になります。

特に、下剤の使用は機能性便秘のみに限定されており、腸自体に疾患が見られる器質性便秘の場合は、薬剤の服用によって悪化する危険性があります。必ず医療機関へ相談して下さい。

 

この記事を書いた人

木の香往診クリニック

木の香往診クリニック 編集部

在宅医療に関わる介護職や医療職の方へ役立つ情報をお届けします。名古屋市にある木の香往診クリニックが運営しています。

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